| そう遠くないちょっと昔の話しです。
千野家の桃畑の傍らに、ひょっこり顔を出した芽が一つ。そこは、半日しか陽が当たらないような、静かで涼しげな場所でした。
それでも、その芽はグングンと伸び、立派な桃の木に育ちました。
それから幾つかの歳月が経ったある夏休みの頃です。畑に遊びに来ていた子供達が、その木に実っていた桃を口にしたところ…、瞳を真ん丸にしながら大喜び。
とても甘く、口溶けの美味しさがひろがっていくのです。その後、大切に育まれたその桃は、大人達の厳しい吟味を何度もかいくぐり、ようやく世の中へ羽ばたく日がやってきました。ちょっと小ぶりで可愛らしい娘のような桃は、名を「なな」といいます。
きっと、皆さんに愛される桃になれる事でしょう。
※昔、わが家には同名のワガママな猫がいましたが一切関係ございません。 |